安全性・耐久性
地球の身震いひとつで多くの人が犠牲になる。精一杯頑張って建てた住まいが、たった10年の長期保証!しかされない
うえに、20〜30年で建て替えしなければならない。なんてどう思います?
阪神大震災の後、ボランティアで被災家屋の診断(赤紙貼り)に行きましたが、横方向に50〜60cmも傾いている八百屋でお年寄り二人がまだ商売されていました。
「おばちゃん、そんなとこ居ったら危ないで、はよ逃げよ」
「まだ、べっちょないやろ」
「アカンアカン、もうじっき逃げなアカンで」
「そんなん言われてもウチら行く所ないし、白菜も腐ってしまうし」
「そない言いよる間に死んでまうデ」
「そない危ないんかァ、ほな避難所行こか…」
そのとき感じた建物の倒壊原因は、
1.絶対的な耐力壁の不足
2.耐力壁配置のアンバランス(南側、道路側の開放)
3.昔の筋交いを使用しない貫工法の場合、壁下地の竹を貫に縄で編みつける貫掛をせずに間渡し
竹に編みつけている(この方が指先も痛くないし、早く編める)
4.両面に壁土を塗らずに片壁で済ましている
5.浴室、トイレなどの柱、土台等の腐敗やシロアリの被害が大きい
6.無理な増改築で耐力不足になっている
7.石垣、擁壁を含めた地盤が悪い
等が非常に目につきました。
◆ 安全性 耐久性(建築基準法の新耐震設計以前) ◆ | ||
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筋違 | 90*30 釘斜め2本打ち | 90*30の筋違では圧縮力には耐えられない。 釘斜め2本打ちでは引張力にも耐えられない。 |
構造用合板 | 構造用合板を使用していても壁内結露に対する配慮が無いため、耐用年数に疑問が残る。 | |
段差 (バリアフリー) | 畳とフローリングの境は約21〜45o ドアの下で約15o | 床の段差は専ら施工上の都合で決められる。 |
基礎 | 無筋コンクリート 鉄筋コンクリート | 楽な施工のためにコンクリートを柔らかく すると耐久性が失われる。 |
木材 | 集成材、合板、心材の赤身が少ない若木を使用 (価格が安いから最近流行しているホワイトウッドなんてもってのほか!!) | 桧、ヒバでも耐久力のあるのは心材。 合板は湿気には大変弱い。 |