ZEH ( Net Zero Energy House )
2018年 新築住宅の建築の現状
地球温暖化の原因となるCO2排出削減をふまえて、2020年から新築住宅の建築に際して、改正省エネルギー基準(平成25年基準)(以下「改正省エネ基準」と表記)に適合していることが義務化されます。
現在の建築基準法では、住宅の断熱性能に関する規定は無く、断熱材なしの家でも建てる事が出来てしまいます。
改正省エネ基準では、断熱性能の基準値と設備機器の消費エネルギーの基準を決め、建築後の消費エネルギー(≒光熱費)を減らす事で、CO2排出削減を図っています。
ZEHとは?
ZEHとは、その改正省エネ基準よりも快適でランニングコストが低く、地球にもお財布にも優しい高性能な住宅を建てる事を目的とした国が推進する政策です。
その為に、改正省エネ基準を元に、下記の3点をクリア―する必要があります。
断熱性能の強化
効率の良い設備機器を採用し、消費エネルギーを20%削減
太陽光発電を設置し、消費エネルギー以上のエネルギーを創る
断熱性能の強化
光熱費は安い方が良いですよね?でも空調を我慢して、夏は暑く冬は寒い思いをするのは心身共に負担が大きいです。
なので、家全体の断熱性能を強化し気密性能を高めて、外気から流入する熱・外気へ流出する熱を少なくすることで、少しの空調エネルギーで家全体の室温を保ちます。
断熱性能はUA値(外皮平均熱貫流率)を用いて各住宅ごとに評価し、地域ごとに決められた基準値以下となるように設計します。
断熱性能を強化し気密性能を高めた「高気密高断熱住宅」は、なんだか密閉された感じがして息苦しそうだな…と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、それは誤解です。高気密高断熱住宅は、言い換えれば『隙間風が少ない、最適な換気量の家』なのです。
※ 詳しくはこちらをご覧ください ≫ @高気密高断熱について A高気密と換気の関係
設備機器の消費エネルギーを20%削減
空調機器・照明器具等に効率の良い機器を採用し、消費エネルギーを20%削減します。
断熱性能を強化して魔法瓶のようになった建物に、少しのエネルギーで室内環境を整える設備機器を採用する事で、快適な室内環境を安い光熱費で維持できるようになります。
太陽光発電を設置し、消費エネルギー以上のエネルギーを創る
断熱性能強化・効率の良い設備機器により、改正省エネ基準の住宅より消費エネルギーが20%少なくなりました。
ここから更に太陽光発電パネルの設置により、残っている80%分のエネルギーを創り出し、正味で年間消費エネルギーがゼロとなるように計画します。
家族の健康と住まいの快適さ、補助金も!
少し余談になりますが、家全体の断熱性能を強化する事で、部屋間の温度差が原因となるヒートショックの事故防止や、気管支ぜんそく・アトピー性皮膚炎・関節炎・アレルギー性鼻炎等の症状が明らかに改善される事も分かっています。
また、断熱性能に含まれる「窓」は、断熱性能の良い物を適切に施工して結露を防止し、日中は照明を付けなくても室内が十分に明るく、風通しの良い快適な室内環境となるよう設計します。
政府は「2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現することを目指す」という目標を掲げています。その為にZEH普及促進の為のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業があり、ZEHに対応する住宅を申請すれば補助金の支援を受けられます。