市街地にある住宅地では宅地面積や建ぺい率、高度斜線等の制約もありプランニングの自由度が下がります。
そんな中で広がり感と光、風通しを追及すると、意識は垂直方向へ向かいます。 このお宅では最上部の二つの窓と東面に配置した吹抜けで解決しました。

工事中の写真で申し訳ないですが、南には4帖のウッドデッキとバルコニーを配置し、 夏と冬の太陽高度の違いにより、夏は直射日光が入らず冬だけ入るように設計しています。

このカタチで夏を涼しく過ごす。

『ひととき・休』の北西側外観です。
平面プランの制約からサトイエstyleの段違い屋根に出来ませんでしたが、 南北方向の棟として北の妻壁上部に二つの換気窓を設けました。この形も高窓付近は負圧となり、 室内の空気の吸出し効果に優れるためにとても良く換気できます。

ロフトは各部屋に対してオープンとし、吹抜け上部のロフト床はスノコにしています。 夏には暖まって軽くなった空気がロフトから北側の窓へと排気されます。

このロフトのプランは風と共に音もニオイも上がってきます（行き来もできるのでロフトから子供がアッカンベーなんて･･･(^^;）から採用に当たっては十分な検討が必要です。
また神戸市、姫路市等では市の条例により比較的厳しい規制があり注意が必要です。

夏には、南から室内に入った風は徐々に暖まり、密度が低くなるために軽くなって吹抜け、階段から上昇して北側の高窓から排出されます。
吹抜けは建物中央のダイニング東面に設けているので住まい全体が明るいです。

2.5帖の小さな吹抜けですがその効果は抜群です。

吹抜け下部のダイニングスペース

『ひととき・休』のＬＤＫです。吹抜け上部のスノコ床が分かりますね。冬は暖房費節約のために２階の手摺の所でカーテンを引いていらっしゃいます。
みなさん様々に工夫して暮らしていらっしゃるようですよ。

『ひととき・休』のＬＤＫ吹抜けの南側です。ウッドデッキ外側にルーバー雨戸で閉じるようにして、物干しとして使われています。
２階バルコニーは半透明な屋根をかけて明るさを確保しています。

『くつろぎ庵』のリビング階段の吹抜け。２帖の吹抜けですが階段と併せると広く、明るくなります。

『健育舎』の吹抜け。１階の中心付近に明るさを届け、風の通り道となります。

このように１階の中心部に吹抜けを設けるのが効果的です。
24cm角の大黒柱を吹抜けの中心に配置。

『健育舎』の外観。サトイエstyleのように段違い屋根形状です。

『おおいなる家』のリビング吹抜けです。風の通り道とするのが大きな目的でロフトのスノコを通って排気されます。

『木もれ陽の家』ロフトから見下ろすと高さが良く分かります。

『住楽庵』のリビング吹抜けは南に面しています。